【外国人採用】外国人の採用で、最初から日本語能力を高く求めてはいけない?
【外国人採用】外国人の採用で、最初から日本語能力を高く求めてはいけない?
外国人人材を求める日本の企業は増えています。日本で働く外国人は2020年の統計で1,724,328 人おり、そのうち「技術・人文知識・国際業務」といういわゆる高度人材は359,520 人もいます。働く業界は様々ですが、採用している日本企業が様々な努力をして外国人人材を雇用しているのは間違いありません。
アジアの優秀な人材が集まっている日本
そんな中で、私はもっと日本の企業(とくに中小企業)にいわゆるの高度人材といわれる「技術・人文知識・国際業務」の外国人を採用してほしいと思っています。中でも、日本に多く留学に来ているベトナムやインドネシア、インド、ネパールといったアジア人に注目してほしいのです。
なぜなら、彼らは自分の国ではいわゆる「エリート人材」だからです。そういったエリート人材がわざわざ日本に留学や、転職のために日本に来ているのに、それを採用しない手はないからです。
しかし、日本での就職を望みながらも、その6割以上の留学生は就職できずに帰国しています。日本での就業先が見つからないからです。
外国人採用のハードルが高すぎる日本企業
なぜ日本の企業がアジア人エリート人材を雇用しないかというと、「日本語能力」が原因です。外国人専門の求人サイトなどの雇用条件は「日本語能力試験(JLPT)の場合N2」「ビジネス日本語能力試験(BJT)の場合 J2(420~529点) 」以上などと漢字語圏以外の国の人にとってはなかなか高度な条件です。
エンジニアやプログラマーのような理工系の職種でさえ、最初からN2や J2といった高い日本語能力を要件を突きつけることが多いです。そのため、それに見合う人材がなかなかおらず、外国人採用が困難になっています。
人材不足で忙しい中、採用した外国人に仕事だけでなく日本語も教えないといけない。それは確かに「コストがかかる投資」です。
しかし、日本企業には、もっと外国人人材を「育てる」ことの必要性と可能性に目を向けて欲しいのです。
「お前に何がわかる」とおっしゃる経営者や人事担当の方も多いでしょう。しかし、組織の継続的な成長には優秀な人材の育成が不可欠です。若く優秀な日本人が減少していく中で、日本の企業での就労を希望するアジア人人材は間違いなく埋もれた宝です。
しかし近い将来、優秀なアジア人材は、日本に目を向けてくれなくなる可能性が高いのです。
今後アジアで外国人人材の争奪戦が始まる
今後、日本だけではなく中国、韓国、そしてアジア全体で人材の争奪戦が起こるといわれています。
その理由は
・コロナ対策のため、日本政府による外国人の入国規制が長期化した。そのため優秀な留学生の日本の大学への留学が激減している
・アジアの先進国である日本・中国・韓国は少子化により労働力の減少が進んでいる
・アジア諸国全体の経済力の成長
・不安定な国際情勢の継続でサプライチェーンのローカル化がおこる
・日本の円安は今後も継続し、円の存在感が低下する
・日本の国力が相対的に下がってきて、優秀な外国人が日本に興味を持たなくなる
・慢性的な人材不足のため、日本企業の競争力がなくなっていく
・アジア各国が優秀な人材を取り合う
しかしメディアでも報じられるサプライチェーンのローカル化が増加すれば、日本の中小企業にとってはある意味ビジネスチャンスでもあるでしょう。設備投資をすることで、生産を効率化して新たな国内ニーズに対応していくチャンスもあるでしょう。その中で想像できるのは、いかに優秀な人材を集めるかだと思います。いかに日本人の人材を採用するかも課題ですが、実は目の前にある優秀な外国人人材もぜひ気づいて欲しいのです。
いずれにせよ、今後ますます人材不足は加速します。そのため優秀な外国人人材の取り合いの時代が来たときに、外国人の雇用体制にまったく対応できない企業は取り残されてしまう可能性があります。
日本語が話せない外国人をどう雇うか
外国人人材を雇うということ自体、多くの日本人企業にとっては大きな賭けの部分があります。最初からすべてにおいて即戦力となるような人材はいないと思います。
やはり「育成」していくということになると思います。投資するわけです。日本人の新入社員を育成するのとはまた違う課題があります。
1.日本語の教育はOJTを継続しつつもOff-JT(日本語検定等もサポート)も取り入れる
2.外国人の宗教的・文化的バックボーンを理解する
3.日本語とともに、簡単な英語でのコミュニケーションを取り入れる
4.作業のためのマニュアルを作る(最初はグーグル翻訳を使ったものでもいい。少しずつ作りこんでいく)
5.外国人特有の言葉のニュアンスには気を付ける(外国人の言う「できる」などのニュアンス)
6.日本独特の「あうんの呼吸」を求めない
7.理解していなければ、ひとつの表現ではなく、言い回しを変えて説明してあげる
8.日本人には当たり前のことでも、相手が理解しているか確認しながら会話する
9.「5W1H」、「YES or NO」を明確にしながら会話する
外国人は日本人よりもプライドが高いがやる気も大きい
総じて外国人は日本人よりもプライドが高い人が多いです。自分ができないことを正直に上司にいうことを恥・負けと思っている人もいます。これは、他人の目を見て目立たないように生きる日本人と、弱肉強食の意識の中で生き抜いている外国人とでは考え方がまったく違います
「できる」といってしまって、余計な責任を負うのを恐れる日本人
「できない」といって、仕事のチャンスを失うことを恐れる外国人
単純化し過ぎた表現ですが、経営者や上司の方は、外国人の意識の違いを理解しないといけません。
また、上司から一方的に指示されることに対しても不信感を覚える外国人もいます。
日本人は出る釘は打たれる文化なので、上司や顧客のいう通りに動くことが「良い」とされています。(表面上は・・・)
しかし、「外国人だからできない」「外国人だからわからない」といった日本人の言動に非常に敏感です。自分を見下しているとわかるニュアンスに対して、フラストレーションをためていきます。(「外国人はよく離職する」という話を聞きますが、そういう外国人は常に疎外感をもっていた可能性が高いです。)
外国人に注意指導するにしても、他の社員がいない場で注意すること(人前で叱られることは大きな屈辱だからです)や、「何がいけなかったのか」を明確に伝えて注意することが必要です。
このように、言葉だけではなく、文化的、歴史的、時には宗教的な理由で、日本人と大きな違いがある外国人人材です。
日本人の採用でさえ、教育や定着といった課題はあるのに、外国人人材を採用するのはこんなに大変なのか、と面食らう人も多いと思います。
しかし、これまでも述べたように、日本に留学してきているアジア人学生は優秀な人が多いです。採用されれば、やる気満々で職場に新しい風を吹き込んでくれるはずです。
代り映えのしないような社員を採用しつづけるのか、自分の意見やアイデアをちゃんと持っている外国人を採用してみるのか。
「やっかいそうだけど、ちょっとおもしろいかも」と頭に浮かんだ経営者や人事担当者の方は、きっと会社の現状に満足していない人ではないでしょうか。
「何か変化が必要だ」
外国人を採用することは、閉塞した組織の体制の変化のきっかけになる可能性もあるのです。
■採用候補者の強味と仕事へ取り組む姿勢をみて、将来性をみてあげるべき
私が在留資格でお手伝いをしている中小企業さんは最初は皆さん、外国人人材をある種の「攻め」の気持ちで採用していたと思います。
もちろん、いきなり一人の外国人人材を採用したから、うまくいくとは限りません。むしろ、問題が噴出するかもしれません。すぐに辞めらるかもしれない。しかし、継続して外国人人材の採用活動を続けていけば、間違いなく良い人材に出会えます。
■はじめての外国人採用のときこそ、専門家に相談するのが大事
外国人採用で気をつけないといけないことは、外国人の雇用は日本人のルールとは違うということです。労働基準法などはもちろん、在留外国人へのルールである入管法などの特別法にも気をくばらないといけません。もし知らない間にこれらの法律を犯した場合、刑事事件にもなりかねません。
そのため初めての外国人採用のときに、在留資格(VISA)専門の行政書士に相談することが大切です。
なぜはじめての外国人採用時に専門家が必要なのか?
- 外国人が日本で働ける内容はVISA(在留資格)の種類によって違い、自社にマッチングする人材か判断が難しい
- 外国人人材の在留を規定する入管法は改正も頻繁にあるため初めての外国人採用の企業には難しい
- 採用後もVISAの更新や、諸手続きに気を配る必要性がある
- 外国人の人材紹介会社はそういったデメリットを伝えてくれない ※悪質なブローカーが多い
御社で採用したい外国人がちゃんと在留資格(VISA)を取れるのか心配な方。
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